歯ぎしり・食いしばりの影響について|竹村歯科 本町本院|大阪本町の歯科クリニック

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医療コラム

歯ぎしり・食いしばりの影響について|竹村歯科 本町本院|大阪本町の歯科クリニック

歯ぎしり・食いしばりの影響について

こんにちは!

すっかり朝晩は冷え込んできましたね。

風邪などひかれてはいないでしょうか?

さて、今日は歯ぎしり、食いしばりについてです。

 

歯ぎしりとは従来の定義では、

主に寝ている間か無意識のうちに、強い力で歯と歯を摺り合わせて音をたてることでした。

現在では、覚醒時のさまざまな動作も含めて「歯ぎしり」と呼ばれることが多くなりました。
さらに睡眠時や覚醒時を問わず、歯を動的、若しくは静的にすり合せたり、

噛み締めたりする非機能性咬合習癖としてブラキシズム(Bruxism)と称されることもあります。

 

ブラキシズムは、

上下の歯を臼の如くすり合わせる運動(グラインディング)、

上下の歯を静的に強く噛み合わせる動作(クレンチング)、

上下の歯を動的にカチカチと噛み合わせる動作(タッピング)などに分類されます。

 

また歯ぎしりは、自覚症状がない場合も多く、

診断が困難とされています。

歯ぎしりの原因は主にストレスなどの精神的要因です。それに合わせて噛み合わせの悪さなどの物理的な要因も関係しています。

精神的な要因は対人関係など

何かしらのストレスや緊張です。

対人関係など何らかしらのストレスがある場合や、

緊張する場面に遭遇した場合に、

食いしばりやすくなります。

 

ストレスがあると、交感神経が優位になるので、

口の周りの筋肉が緊張し、

食いしばる状態になりやすいのです。

逆に、ストレスを緩和するために

食いしばりをしているという考え方もあります。

物理的要因は、噛み合わせが低い部分や、

高い部分があると、しっかり噛む事ができずに、

脳が噛む力を強くしようと働きます。

その結果、食いしばりの力が強くなる事があります。

 

食いしばりによる症状は、

口の周りに起こるものから全身的なものまで様々な症状があります。

口の周りに起こる症状には以下のものなどがあります。

 

・歯が割れたり欠けたりする

歯自体が強い力によって割れて(欠けて)しまう事や、

詰め物や被せものが割れて(欠けて)しまう事があります。

また、歯に持続的に力が加わる事により、

歯のエナメル質が薄い部分から欠けてくる事もあります。

 

・歯が擦り減る

食いしばりに加えて、歯ぎしりの癖もある場合、歯が擦り減りやすくなります。

歯のエナメル質同士がぶつかり合うと、お互いに削れを起こし、擦り減ってきます。

 

・歯がグラグラとする

歯を支えている骨(歯槽骨)に負荷がかかるため、

歯がグラグラと動揺するようになる事があります。
他に歯周病などの問題が無ければ、食いしばりが改善すれば、治まってきます。

 

・歯が移動する

持続的に、歯に強い力が加わり続けると、

歯の移動を起こしてしまう事があります。

縦方向に力が加わり続ける事で、歯の圧下が起こり、

歯ぐきの中にのめり込む状態になります。

奥歯が圧下すると、噛み合わせがズレ、

前歯が前方に開く状態になり、

噛み合わせが悪くなる事があります。

 

・骨隆起ができる

顎の骨に力が加わり、

骨にこぶのような骨隆起(こつりゅうき)ができる事があります。

骨隆起があってもお口の中で悪さをするわけではありません。

多くは放っておきますが、入れ歯や発音に影響がある場合には、切除する事があります。

 

・知覚過敏が起きる

歯が割れたり欠けたりした事によって、象牙質が露出すると、虫歯が無くても、冷たいものがしみるなど、知覚過敏を起こす事があります。

これは結構多くの方がなっています。

 

・歯髄炎が起きる

頻度は稀ですが過度な力がかかることにより、歯に神経(歯髄)に炎症が起きる事があります。

歯髄炎が起きると、歯に強い痛みを感じるようになります。

 

・歯周病が悪化する

歯周病がある場合は、過度な力が加わる事により、症状が悪化する事があります。

 

・顎関節症になる

顎関節症の原因は様々なものがありますが、食いしばりは顎関節症に要因の1つになります。

食いしばりにより顎に強い負担がかかってしまうと、顎の関節にある軟骨(関節円板)がずれ、

変形するなどして、顎関節症になる事があります。

 

・口腔乾燥症が起こる

食いしばりの影響で、顎関節症が起きると、顎がずれる事があり、唾液腺を圧迫する事あります。唾液の分泌が減少し、口腔乾燥症が起こる事があります。

 

・虫歯ができる

食いしばりで歯に力が加わると、歯にヒビが入ったり、割れたりする事があります。

歯に入ったヒビから、虫歯菌が侵入し、そこから虫歯が始まってしまう事があります。

 

全身的な症状では、

 

・頭痛

食いしばりによって、顎を動かす筋肉の1つである側頭筋が緊張を引き起こし、

頭痛を引き起こす事があります。

 

・首や肩のこり

食いしばりは、側頭筋や咬筋など、様々な筋肉の緊張が起こります。お口の周りの筋肉は、首や肩に繋がっているものが多く、首や肩のこりを引き起こす事があります。

 

 

・表情筋への影響

食いしばりにより、口の周りの筋肉が緊張して固まり、表情筋に影響を及ぼす事があります。ほうれい線が目立つようになるなど、見た目への影響もあります。また、食いしばりにより顔の周りの筋肉が発達しすぎてしまい、顔が大きく見える場合もあります。

 

食いしばりは前文で述べたように様々な要因が重なって起こります。

なので「これをしたら必ず治る」という治療法はありません。

ですが症状を緩和させる方法はいくつかあるので紹介します。

 

・マウスピース

歯の型を取り、自分専用のマウスピースを作成し、夜寝ている間に装着して、

寝ている間に無意識に食いしばりをするのを防ぎます。

寝ている間は、食いしばりをしないように自ら注意する事ができません。

無意識のうちに食いしばりを行うので、強い力で長時間してしまう事も多く、

歯や歯ぐきへのダメージが強くなります。マウスピースを装着する事で、

力を分散させ、ダメージを軽減します。

 

・噛み合わせの調節

噛み合わせが悪く、高い部分や低い部分があると、食いしばりを助長させてしまう事があります。歯科医院で噛み合わせのチェックと調整を行います。

 

まとめとして、食いしばりの癖は、歯や歯ぐき・顎関節を痛め、様々な悪影響を及ぼします。

また、口の周囲の筋肉にも影響が及ぶため、頭痛や肩こりなどの全身症状を引き起こす事もあります。

食いしばりは、ストレスなど、様々な要因が重なり、発生します。

食いしばりをしていると感じている方は、早めに歯科受診をすることをお勧めします。